2011年7月17日日曜日

ラジオ派の新たな論拠

節電のスケープゴートにすべきはエアコンよりテレビ。

本当だろうか。


Twitter上で、テレビを消す方がエアコンの設定変更よりも電力消費を抑えられるという趣旨の記事を見かけた。

面白い着眼点だが、ちょっと違和感を感じる。

本当に、テレビを消す方がエアコンの設定変更よりも電力消費を抑えられるのだろうか。

そう思って、記事の引用元として示されていた野村総研のレポートも読んでみた。

確かに、エアコンを1台停止する場合の節電効果よりも、液晶テレビを1台消す場合の節電効果の方が大きいと記されている。

その根拠を探してみたら、図表6に次のような記載があった。

エアコンの使用時の平均的な消費電力を132ワットとした(「省エネ性能カタログ2010夏版」より、壁掛け型冷暖房兼用・冷房能力2.8kWクラス・省エネ型代表機種の期間消費電力の平均値から、冷房期間の使用時間を除して算出)

近年のエアコンは設定温度付近まで部屋の温度を下げると消費電力が減っていくようになっているため、連続で運転させた場合の消費電力が一定にならない。

ここではひと夏を通じての運転時間・使用電力などから、一時間あたりの消費電力を平均して見積もっているようだ。

一方、液晶テレビは原則として消費電力がほぼ一定になるので、一時間あたりの消費電力は特に上述のような計算をしなくても見積もることができる。

このような違いを意識した上でテレビとエアコンを比較するなら、「最近の省エネ型エアコンを効率的に使用している場合は、テレビよりも消費電力が小さくなる」ということになる。


もちろん、この結果が意味するところは、「テレビを消す方が節電になる」という主張にも若干の修正が必要になるということだ。

最近の省エネ型エアコンを効率的に使用している場合は、テレビを消す方が節電になる。

実際には、エアコンは旧世代のものもかなりあるだろう。

NRIのレポートが省エネ型エアコンを前提に据えて考えている以上、旧世代のエアコン場合でも同様にテレビを消す方が良いという図式が成り立つかどうかはわからない。


もっとも、仮にエアコンを効率的に使用できていないとしても、あるいはエアコンが古いものであったとしても、わんこ☆そば氏が指摘する テレビ見なくても死なないのに! という点は変わらないし、 政府などは節電節電と言いながら地デジ地デジ地デジ地デジ と叫び続けていることも事実だから、いっそのこと問答無用でテレビを放逐してしまうのも一興ではないだろうか。

流れでなんとなく点けてしまう、そんな方は震災対応で購入したラジオを棚の上に載せてスイッチオン。

平和な節電ライフを送れること請け合いだ。


なでしこ?

午前3時に起きてドイツでの女子サッカーの試合を観たいという方は、ほぼUstreamを使えるものと信じている。

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