2011年4月17日日曜日

発電容量は実発電量では無いそうです

いくらなんでも、昨年の段階で再生可能エネルギーの発電が原子力発電を既に追い抜いているなんて、それはちょっと信じがたい、と思ったので調べてみた。


数日前、私のPCに入っているGoogleサイドバーのニュースガジェットにこんな記事が現れた。

これを読む限りでは、世界全体で見ると原子力発電を自然エネルギー発電が追い抜いた、というように読める。

しかし、本当にそうだろうか。

太陽光発電は晴れた日中でないかぎり格段に発電量が落ちる。

風力発電も風向と風速によって発電量は変動する。

いくら最近脚光を浴びているとは言え、そんなにすぐに大規模な電力を生み出す原子力発電に追いつけるものなのだろうか。


情報源となっているのはこのレポートであるようだ。

英語なので少し細かく。

このページは本当に大まかな概要だけが書かれており、記事の元となった文章は、このページに貼られたリンクをクリックして以下のPDFへ潜らないと出てこない。


さて、このPDFの35ページに、以下の文章が掲載されている。

いつもの超意訳に挑んでみると「設営済みの風力発電、小規模水力発電、バイオマス・廃棄物発電そして太陽発電すべての発電可能容量を合わせると381GWに達し、福島原発事故が起こる以前の原発の発電可能容量である375GWを上回る」となる。

英語で読んで納得がいった。

capacityは潜在的な部分も含んだ能力を示すときに用いる。

Weblio辞書 英和辞典でも(最大)生産[産出]力という訳が現れる。


もともと私が無知だっただけで、最初に紹介した記事に現れる発電容量という言葉はそもそもそういうものであるらしく、要するに「もし全部が動いた場合」という意味らしい。

比較が無意味とまでは言わないが、無意味な仮定であることは確かだろう。

自然エネルギーに頼る発電の多くは予定通りの発電なんかできないのは周知の事実だし、原子力発電でさえ実は頻繁な定期点検や事故に伴う停止などにより四六時中は運転していない。


原子炉の稼働率や、自然エネルギー発電の稼動効率などを勘案した場合に、比較結果は果たしてどうなるのだろうか。

大学生の頃のように調べる時間が有り余っていれば、自分で稼動率なども調べる余裕があるのだろうが、今はしつこい咳と付き合いながら明日の出社の準備をするのが手一杯だ。

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